大失敗をしたとき、心が折れそうになったとき、立ち直れそうにないとき、人は愛されて守られていた記憶まで辿る。
自分が幸せだったころまで戻るのだ。
先日、プロフェッショナル仕事の流儀(NHK)で、
同時会議通訳者 長井鞠子さん(70)の番組をみた。
日本外交を支えて40年!
長井さんの通訳は素晴らしく、
年間200もの国際会議をまかされるプロ中のプロ。
今現在、日本で右に出るものはないという。
そんな長井さんも、40代には、仕事も家庭も失った。
一度だけいつも欠かしたことのない単語帳づくりを怠ったのだ。
知らない単語が沢山出てきて、しどろもどろになった。
それは致命的な結果をまねいた。
「もうあなたは来なくていい」と言われた。
長井さんは、うちひしがれた。
自分はこの世に存在しちゃいけないんじゃないかと思った。
しかし、それを支えたのはお母さんの一通の手紙だった。
手紙には水遊びをする少女が写った新聞の
切り抜きが添えられていたのだ。
『あなたの子ども時代を思わせる写真が載っていたので送ります。
1人まっ先に濡れるのも構わず一心に突き進んでる姿。
まさに鞠子そのものです。頑張れ鞠子!』
小さな子どもが水しぶきのなかで歓声をあげている写真だ。
どん底の長井さんは、お母さんの手紙で立ち直った。
くじけてたまるか!と思った。
人は、心が折れそうになったり、苦しみから立ち直れなくなってどん底に落ちたと感じたとき、無意識に自分が受け入れられ大切にされていた時代に戻り、自尊感情を取り戻そうとする。
私にも、そういった経験がある。
自尊感情が極度に低くなり、落ち込んだ。
でも・・・すぐに思った。
この暗い自分は本当の自分じゃない!
自分はいつも明るかったじゃないか。
そのとき思い出していたのは、祖母にいい子だいい子だと陽だまりのなかで可愛がられている、幼子の自分だ。
長井さんもお母さんの手紙を見て、
今の自分は本当の自分じゃない!と思ったのだと思う。
くじけちゃいけない!
特殊技術を持つ医師で、心の病を治療するにあたり、子どもの頃までさかのぼり、愛され守られていたイメージを患者さんに体験してもらい、自己の自信を取り戻す治療を行っている方がいる。
それにつけてもとにかく、まず愛され、守られ、大切にされるという幼少期の体験が、誰にとっても必要であるということだ。
暴力事件や、凶悪犯罪、戦争を無くすためにも、愛される子どもを増やしていかなくてはいけない。
もともと、子どもに触れるのが嫌なタイプのママもいる。
でも大丈夫!
子どもが可愛いからなでなでする・・・というのではなくて、
なでなでしているうちに子どもが可愛く思えてきた・・・という逆方向から入る手段も正当。
要は形から入ってしまう方法だ。
はい!
それには、わらべうた遊びがお力になれます。
母と子、父と子、おばあちゃん、おじいちゃんと子がうまく愛情交換ができるように形になった優れものなんです。
どうぞ、わらべうたの教室にご参加ください。
何回か通っているうちに、いつのまにか覚えてしまう簡単な歌と遊びです。だまされたと思ってお出掛け下さいね。
2014年3月18日 はらやま