シカを駆除すると、報奨金が一頭あたり15,000円出ると地元の新聞に載っていた。職場で、じゃあ10頭で15万円だから、20頭もつかまえれば、そっちの仕事のほうがいいね、と冗談をいった。
♪しかしかしかしか
つのなんぼん
- 指で友達の背中をつついて、何本の指でつついたのか当てる〝わらべうた〟です
この〝わらべうた〟はできるが〝シカを打つ〟ことは…できない
同僚はいう
「ダメですよ。はらやまさん。まず、軽トラをかわなきゃいけないし。
狩猟免許を取ってハンターにならなくちゃ。そもそも、シカを射止めても重くて、軽トラに乗せるのにかなり力が要りますよ。ガソリン代だってかかりるし、はらやまさんでは無理ですよ。ズリズリ~、、、」
「免許とったり軽トラ買ったり技術研いているうちに、10年くらいすぐたっちゃうかー。やめとく。」
ふとっ奈良公園で撮ったシカの顔が浮かんできた。シカの眼を見ていると、胸が苦しくなる。私はこのシカを撃ち殺すことはできない…
物事には両面がある
このシカに作物を荒らされたら、やむ終えずやらなきゃいけないのか!
ジレンマに悩むハンターの記事を思い出して読み返してみよう
そこに答えがあるかもしれない
だいぶ前になるが、ハンターの記事が新聞社から間違えて郵送されてきた。私の掲載記事を送ってくれるところを、前号の後藤光章さんの記事が送られてきたのだ。ラミネートして自分の記事と一緒に取っておいた。神様のお告げかもしれないと思った(笑)。
紹介します
週刊長野2014年2月22日(土) 一面
(うわー!びっくりした!2年前のちょうど今日です!書いていて今知りました!)
◆「シカの命と向き合う」ハンター後藤光章さん(記事全文)
ハンター歴16年。猟期になると、野生動物調査などの仕事の合間をぬって狩りに出る。クマの生態を研究していた信大農学部4年のとき、狩猟免許を取った。初めてクマを襲った日「何も悪いことをしていないクマを殺した」と、雪の山中で涙を流した。雌のシカを解体すると、多くは妊娠中だ。死に際に最後の力をふりしぼって「鳴く」シカの声が心に響いた。
先人が野生動物と闘いながら広げてきた生活圏に野生動物が戻り、今や中山間地は両者のせめぎ合いの最前線だ。自ら中山間地に移り住み「電気柵」の設置や「有害鳥獣駆除」に従事しながら「狩猟技術なしにはあり得ない野生動物との共存」を実践、模索する日々。ハンターの重責を感じながらもジレンマに悩む。
命を奪うからには、その命を生かしきりたい。けれども、ハンターが捕獲するシカの大半は捨てられる。ジビエ肉に、家畜肉と同等の管理を求められる現状では、肉としての流通が容易でないからだ。
仲間と一緒に、「シカの命と向き合う」イベントを積極的に開いている。会場にシカを運び、参加者を交えて解体、調理し、食べながら、ハンターから見える世界を語る。野生動物と人の関係を考えることは、現代人の生き方を振り返ることでもある。特に、若者や子どもたちに伝えたいことがたくさんある。(記事・北原広子)
ブログ:地球の仲間守りたい