こんばんは
はらやまです
腰を痛めたので
温泉療法を試みるため
須坂方面にいってきました
湯から上がり
お休み処で休んでいると
本棚に
「甘えの構造」土居健郎 著
弘文堂
という
精神科の先生の本が
置いてありました
パラパラパラ
「甘え」の観点から
種々さまざまの精神病理を
考察した本のようです
いつも
〝わらべうた〟を説明するときに
「甘えについて」
一度は触れることばですので
興味深くページをめくります
なるほど・・・
欧米語には「甘え」という
適切な概念が
ないんですね~
「受身的対象愛」という
用語はあるけれど
「甘え」ということばは
ないのだそうです
「甘え」は
日本人の心理の特性だと
発見した土居先生は
そのときの心境を
『驚き、かつ嬉しく思った』と
書いてあります
欧米では
「受身的対象愛」という用語で
表現しようとしているものが
まさに「甘え」を表すことばに
他ならなかったのだそうです
医者である著者は、人間が生きるのに
この〝甘え〟概念が
いかに重要かということに
着想し、研究している最中に
ある日、大変ドラマチックな
診療場面にぶつかります
【本文の内容】
恐怖症に悩む、ハーフの患者を診たとき、英語で話していたのに、甘えのときだけ「この子はあまり甘えませんでした」と、はっきり日本語で言ったことではっきりした。(イギリスには「甘え」という概念がない?)私は、話が一段落した時、彼女に、さっきなぜ「この子はあまり甘えませんでした」ということだけ、日本語で言ったのか?と聞いてみた。すると彼女はしばし考えてから、これは英語では言えません。と答えたのである。
甘えが病的心理の
解明に役立つことが
わかってきた
ドラマチックな一場面
です
*
【弘文堂ネットストアの内容説明では↓】
いまこそ読まれるべき不朽の名著
●「甘え」が失われた社会に「甘やかし」と「甘ったれ」が蔓延している――変質しつつある日本社会の根底に横たわる危機を鋭く分析した書下し論考<「甘え」今昔>を加えた増補普及版です。
●1971年の刊行以来名著の名をほしいままにしてきた本書は、三十数年後の今日も読み継がれている古典です。
本書で著者は「甘えるな」というありきたりの処世訓を説いたのではなく、日本社会において人々の心性の基本にある「甘え」「甘えさせる」人間関係が潤滑油となって集団としてのまとまりが保たれ、発展が支えられてきたことを分析して見せたのです。しかしその後日本の社会と文化は大きく変質し、油断ならない、ぎすぎすした関係を当然とする社会風土が形成されてきました。それはすなわち、良き「甘え」が消失し、一方的な「甘やかし」や独りよがりの「甘ったれ」が目立つ世の中になったことも意味するのです。
いまこそ、本書を通じて、なぜかくも生きづらい世になってしまったのか、日本社会はどうあるべきなのかをじっくり考えてみましょう。
*
↳わらべうた研修会でのコメントと繋がった!
私はいつも、わらべうたの研修会で「わらべうたの特徴」「力」「愛着形成」を説明させて頂いていますが、決まり文句として、この〝甘え〟について次のように話していました。
- 専門家が探っていくと、日本の少年犯罪が諸外国に比べて極めて少ないのは、日本古来からの〝甘え〟を大切にする「子育て文化」が功を奏していたのでした。
この『専門家が探っていくと』の第一人者が、まさにこの本の著者だったのです。驚きました。
まず、この本を読まずして
何を読むのだ!と
いわれているような
そんな温泉施設での「〝甘え〟が病的心理の解明に役立つことがわかってきた」という精神医学の本との出会いでした
2019/08/12 はらやま
著者は『続「甘え」の構造』↓を読んでから、本書『「甘え」の構造』を読んだ方が、わかりやすいと仰ってます。
過去ブログ
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