NO.1082 〝いちにっさーん にのしのご〟 私の知ってる〝わらべうた〟と違うんですけど? 口承は変化するもの

 

 

 

こんばんは

はらやまです

 

 

わらべうたの講習会を依頼され

質疑応答で「あのー、私の知っているわらべうたと違うものがあるんですが?・・・」と

聞かれることがあります

 

 

わらべうたの伝わり方は

一つの元唄が全国に広がり

アメーバーのように変化して

現代に伝わってきておりますので

地域によって

少しずつ違うのが本来です

 

 

例えば

 

♪いちにっさーん にのしのご さんいち にのしの にのしのご

 

という数え唄は、長野北信地域では

♪いちにっさーん しのにのご さんいち しのにの しのにのご

 

と唄っています

 

 

 

『わらべうたで子育て』の著者

安部ヤエさんを

遠野に訪ねたとき

 

 

 

♪だるまさん だるまさん にらめっこしましょ わらうとぬかす あっぷっぷ

でした

 

私たちは

♪だるまさん だるまさん にらめっこしましょ わらうとまけよ あっぷっぷ

と歌っています

 

 

 

遠野博物館で頂いた

『遠野に伝わるわらべうた』

という冊子をみると

ほとんどの歌が違います

 

 

私たちの県で唄っているわらべうたと

同じものを探すほうが

難しいといえます

 

 

 

 

保育園、幼稚園で

教育に取り上げるときには

子どもが混乱しないように

先生方で話し合いをして

同じわらべうたを

遊ぶことが大切だと思います

 

 

その地域で

歌われていた わらべうたなら

最高ですね

 

 

 

個人でわらべうたの伝承を

されている方であれば

親しんだわらべうたを

慈しみながら伝承する

というのが素敵だと思います

 

 

 *

 

長野のわらべうた

【いっちゃんちの にいちゃん】

 

♪いっちゃんちの にんちゃんが

さんちゃんちで しっこまって

ごめんもいわず ろくでなし

しちめんちょうに はたかれて

きゅうしゅうまで とんでった

 

 

遠野のわらべうたになると

【えっちゃんちの にいちゃん】

 

♪えっちゃんちの にいちゃんが

さんちゃんちで すっこたれて

ごめんもいわずに いっちゃった

ろくちゃんちの ななちゃんは

はちにさされて くろうして

とおでとうとう なきだした

 

 

と、かなり違います

でも、元歌が同じだった

ことがわかりますね

 

  • おつきさまえらいの かがみのようになったり くしのようになったり はるなつあきふゆ にほんじゅうをてらす

↳遠野では

  • おつきさまはえらいな おひさまときょうだいで まんまるになったり くしのようになったり はるなつあきふゆ にほんじゅうてらす

 

 

思い出があるのですが

今から8年くらい前に

長野市の赤沼地区在住で

90歳後半のおばあさんから

わらべうたを教えてもらう

ことができました

 

 

そのときの数え唄は

 

  • ひい ふう ふんだる だるま よるも ひるも あかい ずっき かぶり と 

↳遠野では

  • ひい ふう ひんだり だるまは よるも ひるも つきに ちょんと かさを かんぶりけん

 

これを後になってから

遠野の冊子で

見つけたときには

かなり興奮しました

 

 

自分が偶然お年寄りから

聞いたわらべうたと

元歌が同じものが

『遠野に伝わるわらべうた』に

記載されていたのですから

 

 

両方とも

10まできっちり

数え唄になっているところが

またまたすごいと思いました

 

 

〝わらべうたは口承であり

一つの元唄が全国に広がり

アメーバーのように変化し

現代に伝わってきた〟

 

 

ということが比較してみることで

はっきりしてきますね

 

 

2022/03/14