こんばんは
はらやまです
わらべうたの講習会を依頼され
質疑応答で「あのー、私の知っているわらべうたと違うものがあるんですが?・・・」と
聞かれることがあります
わらべうたの伝わり方は
一つの元唄が全国に広がり
アメーバーのように変化して
現代に伝わってきておりますので
地域によって
少しずつ違うのが本来です
例えば
♪いちにっさーん にのしのご さんいち にのしの にのしのご
という数え唄は、長野北信地域では
♪いちにっさーん しのにのご さんいち しのにの しのにのご
と唄っています
『わらべうたで子育て』の著者
安部ヤエさんを
遠野に訪ねたとき
♪だるまさん だるまさん にらめっこしましょ わらうとぬかす あっぷっぷ
でした
私たちは
♪だるまさん だるまさん にらめっこしましょ わらうとまけよ あっぷっぷ
と歌っています
遠野博物館で頂いた
『遠野に伝わるわらべうた』
という冊子をみると
ほとんどの歌が違います
私たちの県で唄っているわらべうたと
同じものを探すほうが
難しいといえます
保育園、幼稚園で
教育に取り上げるときには
子どもが混乱しないように
先生方で話し合いをして
同じわらべうたを
遊ぶことが大切だと思います
その地域で
歌われていた わらべうたなら
最高ですね
個人でわらべうたの伝承を
されている方であれば
親しんだわらべうたを
慈しみながら伝承する
というのが素敵だと思います
*
長野のわらべうた
【いっちゃんちの にいちゃん】
♪いっちゃんちの にんちゃんが
さんちゃんちで しっこまって
ごめんもいわず ろくでなし
しちめんちょうに はたかれて
きゅうしゅうまで とんでった
↓
遠野のわらべうたになると
【えっちゃんちの にいちゃん】
♪えっちゃんちの にいちゃんが
さんちゃんちで すっこたれて
ごめんもいわずに いっちゃった
ろくちゃんちの ななちゃんは
はちにさされて くろうして
とおでとうとう なきだした
と、かなり違います
でも、元歌が同じだった
ことがわかりますね
- おつきさまえらいの かがみのようになったり くしのようになったり はるなつあきふゆ にほんじゅうをてらす
↳遠野では
- おつきさまはえらいな おひさまときょうだいで まんまるになったり くしのようになったり はるなつあきふゆ にほんじゅうてらす
思い出があるのですが
今から8年くらい前に
長野市の赤沼地区在住で
90歳後半のおばあさんから
わらべうたを教えてもらう
ことができました
そのときの数え唄は
- ひい ふう ふんだる だるま よるも ひるも あかい ずっき かぶり と
↳遠野では
- ひい ふう ひんだり だるまは よるも ひるも つきに ちょんと かさを かんぶりけん
これを後になってから
遠野の冊子で
見つけたときには
かなり興奮しました
自分が偶然お年寄りから
聞いたわらべうたと
元歌が同じものが
『遠野に伝わるわらべうた』に
記載されていたのですから
両方とも
10まできっちり
数え唄になっているところが
またまたすごいと思いました
〝わらべうたは口承であり
一つの元唄が全国に広がり
アメーバーのように変化し
現代に伝わってきた〟
ということが比較してみることで
はっきりしてきますね
2022/03/14