花壇の手入れで
庭に出ていると
今まで見たことがなかった
虫に出会うことになります
ぎょっとしたり
虫の生態系に触れて感動したり
まあ・・・驚くことの方が
多いです
ゲジゲジは臭いですよね
手を洗ってもなかなか
ニオイが取れない
姿をみつける数秒前から
いるな?と思うとやっぱりいます
ニオイを例えると
子どもの頃
手指を消毒した
洗面器のヨード液みたいな
嫌なニオイ
それから
毛虫・・・
ツマグロヒョウモンの幼虫を
初めて見たときには
腰がぬけそうになりました
その姿があまりにも毒々しいので
害虫チャドクガと間違えて
ツバキの木を一週間後には
すべて伐採したこともあります、笑
毛虫の種類をいろいろ知ってくると
子どもの頃キライだった
黒いモコモコの毛虫なんて
まだまだ 可愛いほうです
*
夏の終わり
本当に見れば見るほど
鳥肌が立つような
気持ちの悪い毛虫に遭遇しました
うわ~~;
毛虫はビニール手袋をしていても
つかむことはできません
想像しただけでゾッとします
そこで
割り箸をもってきて
えいっ!
川に捨てました
おや? ふと、思いました
ああそうか
これが
〝わらべうた〟
「泣き虫 毛虫、はさんで捨てろ」って
ことか~笑
毛虫はぐにゅって、気持ち悪くて
手で掴んでは
ぜったいに捨てられない
毒針をもってるかもしれないし
だからはさんで捨てるのが
得策
多分そこから自然発生した
わらべうたなんじゃないの?
おそらく、そうですね
いつ誰が作ったのか
作者不明なのがわらべうたの定義です
毛虫は挟んで捨てる
そして
自分の中にある
泣き虫で弱虫な心も
えいっ!と挟んで捨てれば
また、元気に強くなる
そういう子育て唄だったんじゃないかな・・・
しみじみ、体験的にわらべうたの発祥
に触れた瞬間でした
(私はわらべうたの伝承をしていますが、今さら~ですね)
わらべうたを唄っていたから
昔の人は
子育ての道筋を
自然に知ることができた
♪なきむし けむし
はさんですてろ
は、心を強くするための唄
〝はやし唄〟です
レジリエンスってことが
いま改めて大切だと
専門家はいいます
少子化・都市化などで
子ども同士で
喧嘩し、折り合いをつける体験が
激減しているからです
子どもの遊びを成立させる
「三つの間」
(仲間・空間・時間)が
なくなって
さらに、子どもの遊びへの
親や周囲の大人のまなざしが変化したことも
要因だと指摘されています
生き抜くには
自己肯定感とバランスをとりながら
レジリエンス(困難を乗り越える力)
を鍛えていく必要があり
小競り合いや喧嘩
叱られる体験が大切だというのです
このわらべうたの
〝はやし唄〟を上手に使えば
幼少期の
心を強くするという教育が
できますね
日本の伝統の
甘えを大切にする子育てのバランスをとっていたのは
実は、わらべうたのはやし唄だった
のかもしれません
わらべうた伝承者、安部ヤエさんは
「遠野に伝わるわらべうた」
遠野市立博物館のなかで
はやし唄とは
- 互いに相手をからかったり、けなしたり、やっつけたり、当てこすりを言ったりしながら、いろんなことばの働きを体験して覚える唄です。ことわざとつながっています。
- 泣く子をはやす唄は、幼い子をあやしながら、からかったり、たしなめたりして、いろんなことを教えてゆくしつけの唄としてうたわれました。
- 幼いうちは泣くことも必要なことであり、泣くことを我慢することからいろんなことを覚えて行くと言われていました。ですから、やたらに機嫌をとるようなことはしませんでしたが、ただ泣かせてほったらかしにしておくのではなく、幼い子が泣きながら何かを感じとる手助けとして、泣く子をはやす唄をうたったのでした。
- いくらなだめても泣き止まない子は、こういって繰り返しはやしたてられました。こういってからかわれたら、もういくら泣いても構ってもらえません。何回かうたいはやされているうちに、幼い子にもそれが自然に分って、唄を聞いただけで泣き止むようになったものです。
- 「泣き虫だから、ちょっとのことも我慢できないで、お前はすぐに泣く、そんな泣き虫は、泣け、泣け、いつまでも泣きたいだけないていろ」ということ。
♪なきむし けむし
はさんですてろ
私も幼い頃、おばあちゃんにおんぶする甘えん坊でした
道を歩いていると、きまって
向こうから
村のおじいさんがやってきて
「そんなでっかくなって
いつまでぞぜーてる(甘えてる)だえ」
とはやされました
いつもくるかな、くるかな
とドキドキしていると
やっぱりやってきて
あわてて背中から飛び降り
ましたが
間に合いません
昭和の時代の心を強くする
昔の人の知恵だったの
かもしれません
2022/11/10
NO.616 安部ヤエさん『わらべうたで子育て』を読み返してみました